2年間愛しすぎて憎むほど好きだった人と、今日お別れしてきた。
 まあ正式には、新しい彼氏に別れてくれと懇願されたので、今日ちゃんと会って別れたわけです。
 私は、他人から見たらその人に利用されてただけかもしれない。その人には私以外に、守るべきものがあったし。けどその中で、たくさんの制約の中で彼はできうる限りのことはしてくれたし、たっぷりの愛情をそそいでくれた。
 だから私は、彼にとても感謝しているのです。
 今日は他の予定をぶったぎって、ホテルに8時間ほど一緒にいてくれて、セーリなのでエッチもできないのにいてくれて(ここ重要)、帰り道は初めて歩きながら手をつないでくれた。もっと早くに言いたいこと言っておけば良かった。訊きたいことも訊いておけばよかった。失うことが怖すぎて、私はずっと彼に恋をしすぎていた。
 この2年間は、私にとっての長い春だった。暗く細い道のりだった。けれど、暗闇がそのまま暗いものを指し示すのではない。
 彼は、いつでも戻ってきていいよ、俺はいつまでもあなたのそばにいるから、いつまでも待ってるから。と言ってくれたそのことばも、聞きようによっては都合のいい戯言に聞こえるかもしれない。
 けど私は彼に2年を費やしたことに、けっして後悔はしていない。彼はたくさんのことを私に教えてくれたもの。たとえ毎回会う場所か密室だったとしても、時間は会えて3時間だったとしても、メールができる時間が限られていても、贈り物のひとつももらったこともないけれど、それでも私は。