電話

 そのあと、彼氏に電話でこのことを報告。とても感謝されたが、けっしてきみのために彼と別れたのではなく、私のために別れたのですから! となきじゃくり鼻水すすりながら言った。たぶん一生この人のことは忘れられない。
 電話を切る間際、彼に好きって言わせて、じゃあお返しにきみも言えよーという事態になって、す・好きですと言った途端に兄が部屋ん中に突っ込んできたので、テンパった新入社員が社長に謝罪するみたいなかんじで、あの・すみません・じゃあそゆことで・きりますからね! と慌てて電話を切った。