ほんとに、ほんとに

 昨日、実技試験が終わりました。だいすきだった歌を歌い終えて(大きなミスもなかったかわりに、手ごたえもなかった)なんだか離人感にさいなまれて薬をのんでしまおうかとも思った。先生はまあよく歌えてたと言ってくれたけれども、昨日歌ったホールは残響感がすさまじくて、実際歌ってみると自分の声がどれくらいで、どれくらい聴いている人に届いているか分からなくて。(そして私の声はたぶんばかでかかった)それでも歌い終わって練習室にもどってきたら彼からのメールで、ミッキーの形をしたプリンのストラップ(私がずーっとガチャポンで狙ってたのに、12回も出なかったやつ!)を買ったからあげるよーっていうのがきてて、嬉しくて1人で飛び上がって即効彼に電話してしまった。
 なのに、夜になると学校での友人関係の疎外感、1年前に起こった友人とのごたごた、それを全く気にしていないかのような彼女らの振る舞い、自分が過去をひきずっていることへの嫌悪による不安定から彼に八つ当たり。今朝になってやっと仲直りできたけど、別れる(わたし)別れたくない(かれ)を繰り返して、いっつも彼に申し訳ないなと思う。ほんとうに、ほんとうに思うのに実行できないのは何故だ。彼は私は少しずつ良い方向に向かってきているとは言ってくれているけど、私はよく分からない。健全になりたいとは思わない。淡白にさばさばと人を切り捨てられるあの子みたいになりたいとは思わない。けれどそうなるべきなのかもしれない、と思って最近、ずっと仲の良かった男友達をばっさり切り捨てようとしたことがある。(アドレスも電話番号も消して、マイミクも解除した、黙って)いろいろと細かく嫌なところがあったからだけど、でもそういうこともあの子と同じようなことをしていることになるんだ、と思って止めた。私は彼女みたくなりたくない。
 1年前、彼女から送られたメールに今も深く傷ついて立ち直れないでいる私は、馬鹿でしょうか。あの子はきっとそんなメールを送ったことすら忘れているのに。そう考えると、自分は何という馬鹿だろうと思う。馬鹿を通り越して、莫迦だ。鶏だ。こけこっこーだ。

 でも今日、彼女と仲直りしている夢を見た。彼女のことを憎む一方で、仲直りしてしまって、この憎しみを消すことこそ一番の解決法だとも思う。私だって悪かったってことは、私が一番よく分かっている。けれど憎しみに凝り固まってしまっている。

 ほんとうは、私がパリアッチョなのだ。