手紙を書く

 思い立って彼に手紙を書いた。この前の東京旅行のとき、吉祥寺で買ったてんとう虫の便箋でもって。手紙一枚と、アンパンマンの顔の切り抜きと、オチビサンをいれて。プールから帰ってきた彼は、郵便受けの前で自分にまとわりつく虫に何かを感じ、普段はチェックしない郵便受けを開けた。すると見覚えのある赤い便箋が。彼はもしや私からの別れの手紙なのではと不安に思った。しかし別れの手紙をてんとう虫の便箋にいれるとは考えづらい。けれど俺の恋人は変人だ。一抹の不安を抱えつつ、彼は家に入って便箋を開けた。手紙が一枚と、アンパンマンの顔と、オチビサンの漫画一枚が入っていた。彼はオチビサンを気に入った。そしてすぐ私に電話をかけた。