おでん

 ずっと嫉妬していた。
 心を許し、同じ夢をもち、時にライバルになったりなんやかんやしてとにかく、2人で生きていけるような人たちに。
 でも、おでんを作ってあげるよ、って言ってくれた「おれ」に、感謝して、私は私の道をゆかなくてはいけないのね。
 隔たってしまったことや、時めいたり嘯いたり、そんなささやかな一挙手一投足に、ひとまず感激したり落胆したり、こんな私の性質がいつ役に立つのかは分からないけれど。
 とにかく今は自分を信じるしかない。


 そして「おれ」の作ってくれた、あつあつおでんを食べる。
 それはもう、楽しみだ。