雨が夜更けすぎに雪へと変わったらいいな

 卒業したらこんな日々もなくなるのだと思えば、辛くても嬉しくてもそれが宝石のようなものに見えてくる。その輝きに涙腺がゆるむ。でも辛い。私が死んで、このロッカーを開けて後始末をする人のことを考えると。数は少ないけど、泣く人たちのことを考えると。

 学校での私はいてもいなくても一緒だし。血もとまらなくて、(かれこれ3週間ほど)お酒で紛らわそうと思う。炬燵で寝て変な夢を見た。もう死んでしまった、誰かの恋人の書いた本を発見して、その中にでてくるお菓子の名詞に丸をつけていくのだ。

 この世界がもっと違う形だったら、楽に生きられるのに、とやや思う。すべてが日本のさびれた田舎の冬景色のようで、ごくおさえた色合いで、進むともなく進んでいけば・・・。

 私が死ぬために何かをすることを、咎める人は今のところ恋人だけ。もし春まで生きていられたら、映画を撮りたい。別れてしまった恋人たちの話を。BGMはドビュッシーの連弾曲。メヌエット