別れ

 2ヵ月ずるずるとひきずっていた恋愛に、一応区切りをつけました。
 しばらくは誰とも恋人とかにはならず、ひとりで生きてみようかと思います。ひとり暮らしだし。寂しい夜もあるかとは思いますが、死なない程度なら無茶はまだできる若さかな、と。(え)
 幸か不幸か、シフト提出が遅かったせいで、6月前半はまったくバイトに入れないので、東京にも行かないことだし、ゆっくりと文章を書いたり読んだりしながら過ごします。あ、就活をしながら。
 元彼に借りたままの小説は、いつかご縁があれば返せるのでしょうか。今はまだ分からない。分かることは、二度と元には戻れないんだということ。初めからやり直すことは可能なこと。自分のことでいっぱいいっぱいすぎて、人のことなんて今は考えられないこと。それだけです。


 思えば、前回会うことが最後だと、自分は自分に言い聞かせていたのかもしれない。
 今までろくなプレゼントをしたことがなかった。だから何か買ってあげたいと心から思ったし、彼の喜ぶ顔が本当に嬉しかった。
 狭いベッドで眠り、不思議な夢をみた。夢のなかで、私は彼のもとを一度離れて、戻った。目が覚めると、隣に彼がいることが幸福だった。あんなに幸福をちゃんと幸福としてとらえられたのは、久しぶりだった。隣に温かい誰かが、見知った人間が寝ているのっていいなぁと思った。
 その朝は最後までちゃんとしていようと思った。制約の多い恋を今までしてきて、別れ際にダダをこねることばかりしてきたから、それはやめようと思って。またいつか、来てね、と言ったら彼は抱きしめて頭を撫でてうん、と言ってくれた。

 それだけでもう十分ではないか。この一年どれほど幸せだったか。もうそれだけで十分だと思った。彼がくれたものを心のなかで反芻しながら、幸せだったなぁと感じる。食べ物がおいしかったなぁって。だから今夜は自分で何か美味しいものを作って、眠れないかもしれないけれど眠ろう。いつでも死ねる。私の道は私の手の内にあり、私の手の内は広い世界にあるんだから。