私は、みどりのいない人生なんて糞だと考え始めている。
 今の彼はとても優しくて、賢くて、苦労を知っていて、頑張りやで、色気はないけどかわゆい子だ。私は彼とは一生付き合っていくつもりでいる。でもきっと、そのためにはあの人がいなくてはいけない。
 真っ白だ。色がない世界を生きているよう。あの美しい6月9日を、もういちどだけ体感したい。あの日の細かくふんだんに彩られた世界は、狭い部屋のなかで太陽光を膨らませるように光り輝いていた。あんな世界は二度とこない。あんな美しい世界は、きっと大きな精神と肉体の犠牲のうえにしか存在しない。きっと、奇跡だったんだ。