空の色がきれいな日は

春夏秋冬そして春 [DVD]

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 吉田松陰は、遺書のなかに「人生は四季だ」と記す。それはこれから生きゆく者にも、そして死にゆく者にも嬉しい言葉だと思う。涙って自己中心的なものだと思うのだ。私はよく泣くけど。それでも、それは甘えでしかないと思う。たとえば、本当に辛い時は人間涙も出ない。生きたくないと思えばそのまま死んでしまう。死にたいと言いつつ泣きつつ生きているのは、誰かに生きてくれと言って欲しいから。誰かに必要とされたいから。でも自分が欲している何かを認めないといけない。自分の欲望を認めることは難しい。自分を悪く言うようなものだから。巧く言い表せないけれど、人が死んだ時哀しんでいいものか、昔からずっと悩んでいる。自分の愛した人がこの世からいなくなり、もう会えないのはとても哀しいことだ。しかし決して会えないと決まったわけではないし、その人は幸せに死んだのかもしれない。もしくは、死んでから幸せにどこかで暮らしているのかもしれない。自分のことだけを考えて泣くのは、やっぱり自己中心的だ。だって死は悪ではないから。
 なんでだろう。今はとても空っぽ。悪い意味ではなく。良い意味でもなく。自分は何も持っていない気がする。あの頃に比べて。何にも。
 
 すごく良い映画でした。