逡巡

 昔から、幸せになれる道がすぐそこにあるのに、わざわざそれを避けるような生き方をしてしまう。ただのあまのじゃくなんだろうけど。幸せになるのが怖いのか、それとも自分ごときが幸せになるなどおこがましいと思っているのか、それともその幸せは巧妙な罠で、実はとんでもない不幸がそこに待ち受けていると思うのか。
 しかし幸せを避けても、幸せにはなれないのです。幸せになるために素直になることがどんなに大切が、私は身にしみて分かっているはずなのに、それが出来ないのです。邪魔するものは自尊心?恐怖心?何なのか分かりません。
 いま付き合ってる男性がいて、その人は私をとても必要としてくれている人でした。他人からこんなに必要とされたこともないし、価値観も同じで一緒にいて楽しくて、相性も合う。なのに、たくさんの障害があって私には乗り越える力がある。でも怖くて足がすくんで動けないのです。自分の歩む先が、真っ白で見えない。悪いことばかり想像してしまって、彼に隣にいてうんうんと話を聞いて欲しいけど、渡仏が近づいていてそんな時間はもうありません。
 私の糧がなくなってしまう。
 そしたら私はどうなるのだろう。